2015年1月20日
このメッセージは後藤さんの家族と日本政府が受け取ったものだ
「日本の総理大臣へ。あなたの国はイスラム国から8500キロ以上離れているが、この十字軍(※イスラム国の掃討)に進んで参加することを誓っている。あなたは我々の女性や子どもを殺したり、イスラム同胞の家々を破壊するために、誇らしげに1億ドル(約118億円)を拠出している。だから、この人の命を救うためには1億ドル必要だ。イスラム国の拡大を阻止するために、我々の聖なる戦士に対抗する背教者を訓練しようとさらに1億ドルも拠出した。これで、日本人を救うためにはもう1億ドルかかる。
日本の国民へ。あなた方の政府はイスラム国と戦うために2億ドル(約236億円)を拠出するという愚かな決断をした。あなた方の市民(※後藤さんと湯川さん)の命を救うために2億ドルを支払うという賢い決断を日本政府にさせるため、圧力をかける時間はあと72時間しかない。さもなければ、このナイフが悪夢になるだろう」
2015年1月24日午後11時頃
「このメッセージは後藤さんの家族と日本政府が受け取ったものだ」
私は後藤健二です。
あなたたちが見ているのは、私とともに拘束された遥菜がイスラム国が支配する地で無惨に殺された写真だ。
あなたたちは警告を受け、期限を与えられたが、人質には言葉通りの決定が下された。
安倍、あなたは遥菜を殺した。人質への脅迫を真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった。
妻よ、愛している。2人の娘に会いたいと思う。どうか、安倍に私の場合にも同じことをさせないで欲しい。あきらめないでくれ。あなたは家族や友人、私の会社の仲間たちと一緒にいる。日本の政府に圧力をかけ続けなければならない。
彼らの要求は、よりシンプルになった。彼らの要求は公平だ。彼らはもう金を求めていない。
だから、テロリストに資金が渡る心配をする必要がない。彼らが望んでいるのはただひとつ、収監されているサジダ・リシャウィの釈放だ。
簡単なことだ。あなたたちが彼らにサジダを引き渡せば、私は解放される。
そして、日本政府の人間は目と鼻の先にいる。我々の政府の代表が皮肉にもヨルダンにいる。
この場所でサジダは、ヨルダン政府によって収監されているのだ。
もう一度言う。強調したいのは私の命を救うことは簡単なことだ。あなたたちが、サジダを彼らに戻せば私はすぐに解放される。サジダのために私が囚われている。
妻よ、これはおそらく私のこの世での最後の時間となるかもしれない。私は死者となるだろう。
これをあなたが聞く、最期の言葉にしないで欲しい。私も安倍に殺させないで欲しい。
2015年1月27日
後藤健二から家族と日本政府への2つ目のメッセージ
私は後藤健二だ。
リコ、日本国民、日本政府へ。
これが私の最後のメッセージだと言われた。また、私の自由への障害は、サジダ(・リシャウィ死刑囚)の引き渡しを遅らせているヨルダン政府だとも言われた。
ヨルダンに全ての政治的圧力をかけるよう、日本政府に伝えてくれ。時間はもはや極めて限られている。
私は彼女と引き換えだ。どうして理解するのがそんなに難しいのか?
彼女は10年間も捕らわれの身だ。私はほんの数カ月捕らわれただけだ。
私と彼女は引き換えだ。1対1の交換だ。
ヨルダン政府がこれ以上遅らせれば、ヨルダン人パイロットの死は彼らの責任であり、それに続いて私が死ぬことになる。
私には24時間しか残されていない。パイロットに残された時間はそれよりも短い。
どうか、われわれを死なせないでくれ。これ以上の遅延戦術は、私たち2人を殺すことになる。ボールは今、ヨルダン側にある。